イタリアに残って働き、より良いチャンスをつかみたいイタリア人にとって、仕事のために必ず身につけておくべき外国語は、もちろん英語です。ただし、今や中級、できれば中上級レベルの英語は、履歴書のプラス要素ではなく、当然備えているべき標準的な条件になっています。
英語ができることを前提としたうえで、厳しい就職競争の中で決定的な強みを持ちたい人は、第三の言語を身につけようとします。
もちろん、言語によって需要には差があります。ここでは全体的な傾向をご紹介しますが、まず前提としてお伝えしておきたいことがあります。もっとも役立つ言語は、働く業界や、自分が住んでいる地域がどのようなつながりを持っているかによって変わってくることが多いという点です。たとえばドイツ語は、工業や商業の分野では非常に需要が高い一方、観光業ではあまり役に立ちません。ただし、ドイツやオーストリアからの観光客が非常に多いアドリア海沿岸地域に住んでいる場合は別で、そこではほぼ必須の言語となります。
そのため、この話題を扱った記事はどれも、それぞれ異なる意見を示しています。第三言語としてもっとも興味深いのはフランス語だとする人もいれば、ドイツ語を挙げる人もいます。2番目に名前が挙がることが多いのはスペイン語で、そのすぐ後に中国語、そしてロシア語やアラビア語が続きます。さらに、興味深い言語としてポルトガル語が挙げられることもある一方で、日本語の人気ははっきりと下がってきています。
そこでこの記事では、あえて厳密なランキングを示すことはせず、上に挙げた言語について、なぜ役立つのか、どのような場面で役立つのかを考えるヒントをお届けするにとどめます。そのうえで、ご自身の業界や居住地域でどのような需要があるかを、丁寧に確認されることをおすすめします。
迷ったときは、自分自身の興味や情熱にも耳を傾けてみてください。言語の習得には根気が必要で、学び続けるためには、その言語そのものへの純粋な関心が大きな支えになります。
フランス語が重要な理由
フランス語は、かなりの数の母語話者に話されており、しかもフランス、カナダ、そして人口が大きく増加しているアフリカのいくつかの国々を考えると、その数は増え続けています。何より、これらはいずれもイタリアと密接な商業関係を持ち、(カナダを除けば)比較的近い国々です。フランスと取引をする企業にとって、フランス語を話せる人材がいることは大きな助けになります。アルプスの向こうでは、英語が上手に話せる相手が必ず見つかるとは限らないからです。
フランス語は国際関係の分野でもっとも使われている言語のひとつでもあり、外交や国際機関で働きたい人にとっては良い選択肢となります。
ドイツ語が重要な理由
ドイツはイタリアにとって最大の貿易相手国であり、そのため非常に多くの企業がドイツ語も話せる人材を求めています。また、決して簡単な言語ではないため、第三言語としてスペイン語やフランス語を話す人と比べれば、間違いなく競合は少なくなります。
スペイン語が重要な理由
スペイン語は、世界でもっとも話されている言語のひとつであると同時に、もっとも学ばれている言語のひとつでもあり、非常に多くの相手とコミュニケーションを取れるようになります。何より、イタリア企業がますます関心を寄せているラテンアメリカの新興国の多くで話されています。そのうえ、イタリア人にとっては比較的短期間で習得できる言語でもあり、フランス語以上に習得が早いことも少なくありません(特に発音がシンプルなおかげです)。活用しない手はありません。
中国語が重要な理由
中国語は、世界第2位の経済大国の言語であり、なおかつ世界でもっとも話されている言語でもあります。需要が伸び続けている言語ですが、注意も必要です。ヨーロッパの言語以上に、中国語を学ぶということは、振る舞いや価値観の面でも大きく異なる文化に飛び込むことを意味します。決して簡単ではありませんが、仕事の面でも人間的な面でも、非常に大きな充実感をもたらしてくれる言語です。
ロシア語が重要な理由
ロシアは、特にファッションやラグジュアリー製品の分野で、メイド・イン・イタリーの熱心な買い手です。そのため、ロシア語を学ぶことは、これらの分野やハイクラスの観光業で働く方にとって良い投資になります。政治的な緊張の影響で現在ロシアの輸入が減少しているとしても、比較的短い期間で取引が回復すると考えるのが自然でしょう。
アラビア語が重要な理由
アラブ諸国もまた、間違いなくメイド・イン・イタリーを愛好しており、大量に輸入しています。ただし、アラビア語の学習をすすめる人の多くは、それよりもむしろ、国内でアラビア語を話す通訳者や福祉分野の担当者への需要が今後高まると見込んでのことです。これは、移民の定住がますます進んでいることや、こうしたコミュニティの統合プロセスを進める必要性から来る見方です。
ポルトガル語が重要な理由
ポルトガル語の学習をすすめる理由としてよく挙げられるのは、ブラジルの成長です。ブラジルはラテンアメリカでもっとも重要な国であり、もっとも目覚ましい成長を遂げつつある国でもあります。
その成長は一様ではなく、急速に伸びる時期もあれば、停滞しているように見える時期もありますが、新しい生産活動のためのインフラや設備を、絶えず必要としている国でもあります。イタリア企業もこの動きにしっかりと目を向けており、この巨大で新しい市場を、事業拡大の柱に据えている企業もあるほどです。
この記事はいかがでしたか? 次回は、夏休みのご挨拶をする前に、もっとも広く話されている言語についてのいくつかの興味深いデータや豆知識をお届けする予定です。また近いうちに!


